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ことば

ことばは伝えるためにあるものであると思います。
けれど、万能ではありません。
元々はことばなんてこの世に無かったけれど、コミュニケーションを取る必要を感じたために生まれたのでしょう。
なかったものがあるものに変わって、少しずつ語彙が増えてきて、今も増え続けている最中です。
ということは、まだ増える余地があって完璧ではありません。

私は、増える余地が無くなることはないと思います。
つまり、完璧になることなんてないと思うのです。

なぜなら、人間はロボットではありません。
文字ですべて表せるのならば、白と黒の二進法の世界で事足りてしまうと思います。
けれど、そうではありません。
もっと、人間はアナログで、ことばに出して説明できない部分があります。
今、嬉しいと思っていること、悲しいと思っていることは伝えられても、それがどんな感情でどんな思考にさせて心にどんな作用があって……みたいなことを伝えることはできません。

ことばは伝えるためにできました。
けれど、すべては伝えられません。
だから、きっと、人は完全に分かり合うことはできないのだと思います。

けれど、だからこそ、きっと分かりあいたいと思ってよりたくさんのことばが生まれるのだと思います。

大切なことは、「分かり合えない」ということをちゃんと分かっておくことだと思います。
だからこそ、伝えようと努力するし、分かりたいと思うのです。
自分と他人は違うということが分かっていなければ他人を理解することはできません。

最近、感じるのは、ことばを万能だと思っている人が増えてきているのではないのではないかということです。
「良い」か「悪い」かですべてを判別することなんてできません。
論理的に説明しようと、それは「論理的」という視点での説明でしかありません。
何かを正しいとして結論付けることは、結局はことばを使ったエゴであるような気がするのです。

本当に分かり合うことなんてできない。
だからこそ、相手が愛しい。
その感覚を、もっと持てば良いのに、なんて最近は思ってしまうのです。